自分はベースで指弾きとピック弾きの両方を使用します。
指弾きとピック弾きで得意な音域も違えば、音量も違います。
指弾きだけ、もしくはピック弾きだけの場合では、音作りが1つで完結するため困ることが少ないのですが、指弾きとピック弾きの両方を使用するとなると、どっちの音を基準にするのか、もしくはプリアンプを2つ用意するのかと、悩んでいました。
その悩みを解決できるのが、複数プリセットを保存できるイコライザーで、自分でいくつか複数プリセットが保存できるイコライザーを購入して試しました。
今回、その中の一つであるSource Audio EQ2のレビューしていきたいと思います。
Source Audio EQ2の概要
ソースオーディオのEQ-2の概要から説明します。

メーカーサイトから引用。
EQ2 は、各バンドの中心周波数(20Hz ~ 20kHz)と Q(バンド幅 0.5Q 〜 10Q)の設定が可能な事によりグラフィック/パラメトリックとして機能、微細な音質補正から大胆なエフェクトサウンドまで多彩なサウンドメイクをクリエイトできる最新鋭コンパクトイコライザーです。
イコライザー特性を表示する 7×10 の LED ディスプレイを使用した大型表示のチューナーモードを搭載することにより、エフェクトボードに不可欠な 2 つのユーティリティをこれ 1 台で網羅します。
設定した EQ は最大 128 プリセットまで保存でき、本体または外部 MIDI コントローラーで任意のプリセットを呼び出すことができます。
Okada International HP:https://www.okada-web.com/source-audio/eq2-programmable-equalizer
周波数やQ値を自在に可変できる、プログラマブルイコライザーと思っていただければわかりやすいかと思います。
コントロールノブの説明
つまみ自体がほとんどありませんが、簡単にコントロールノブの説明をしたいと思います。

- フットスイッチ:フットスイッチを踏むことでエフェクターのON/OFFを操作。長押しでプリセットの切り替えが可能
- センターノブ:周波数を設定する際、左右に回して設定する。ボタンにもなっていて、押せば決定される。
- Selectスイッチ:プリセットの切り替えが可能。長押しで設定したイコライジングを保存する
- Outputノブ:中央に線(くぼみ)があり、出力LEVEL(音量)を設定する。青色に光り、色が濃いほどVolumeが大きい。

右側面にはInput1と2とMIDI INがある。

左側側面にはOutput1とOutput2とMIDI THRUがある。

上側側面には電源端子とUSB端子を備えている。
使用してみて良かった点、気になった点
ここからは使用してみないとわからないポイントでよかった点、気になった点を紹介していきます。
<良かった点>
- 直感的な操作で使いやすい
- イコライジング機能、音質ともに十分
- スライダー式ではないため勝手に設定がずれることがない
- イコライザの周波数、Q値を自分で設定することができる
- ノイズゲートやチューナーなど、他の機能も豊富
<気になった点>
- 音量がわかりにくい
- 保存したプリセットの呼び出しはしにくい(MIDIが必須)
- 詳細な設定はPCやスマホがないとできない
まずは良かった点から。
直感的な操作で使いやすい
メモリーへの設定方法は覚える必要がありますが、それさえ覚えてしまえば、普通のアナログイコライザーと変わりなく使用できます。
見た目の通りに操作すればよく、説明書を見なくてもある程度操作ができ、かなり使いやすいです。
イコライジング機能、音質ともに十分
イコライジング機能は、かかり方が分かりやすく、十分だと感じました。
EQ2をONにしたまま、イコライジング機能をフラットにすることで、音がどれだけ変化したのか検証しましたが、音の変化はありませんでした。
少なくとも、EQ2をONにしてフラットにした場合と、EQ2を取り外した場合で、違いが聞き分けられるほどの耳は持っていません。
それくらい音はそのままで、イコライジング機能として十分な性能を持っていることがわかります。
スライダー式ではないため勝手に設定がずれることはない
スライダー式のイコライザーを使用した場合、足やシールドが引っかかったり、意図せず設定がずれることがあると思います。

EQ2はデジタル数値として設定を保存できるため、物理的に何かがぶつかっても設定が変わることがなく、安心して使用できます。
イコライザーの周波数、Q値を自分で設定することができる
イコライザーの周波数とQ値を自分で設定することができます。
周波数とQ値を共に設定できるイコライザーはEQ2以外見たことがなく、EQ2の最大の良さだと思います。
ただ、個人的には、色々と設定をいじっていくと、どの設定がベストなのかわからなくなり、工場出荷時典で設定されている周波数とQ値に落ち着きました。
ノイズゲート、チューナーなど、他の機能も豊富
PCやスマホアプリで設定ができるようになりますが、ノイズゲートをON/OFFにしたり、チューナーがあったり、ステレオ入出力に対応していたりと、コンパクトな割にかなりできることが多いです。
使用してみて気になった点
次に使用してみて気になった点を紹介します。
<気になった点>
- 音量がわかりにくい
- 保存したプリセットを呼び出しにくい(MIDIが必須)
- 詳細な設定はPCやスマホがないとできない
音量がわかりにくい
音量のノブであるOUTPUTのつまみがありますが、これがかなりわかりにくいです。
OUTPUTつまみが青色LEDに光り、青色LEDの光の強さで音量がどのくらいになっているのかわかるようになっていますが、音を出さないことには音量がどのくらいになっているのかわかりませんでした。
音量もデジタル画面に表示され、かつイコライザーの設定と同様にデジタル的に設定できると嬉しいと感じました。
保存したプリセットを呼び出しにくい
このエフェクター単体でプリセットを変更しようとした際、フットスイッチを長押しする必要があり、かなり変更しにくいです。
このエフェクターはMIDIなどの外部スイッチを前提に作られている気もします。
私のように外部スイッチを使わず、エフェクターだけでプリセットを変更したい方にとっては、狙ったプリセットに変更する操作が難しいように感じます。
フットスイッチを長押しすると、1→2→3→4→1・・・と勝手に変わっていくので、自分が狙ったプリセットでフットスイッチから足を離す必要があります。
SELECTスイッチを押すことでプリセットの変更は可能なのですが、SELECTスイッチを押すには手で押す必要があり、足だけで完結しないため、どちらにしろ複数プリセットを使用したい方はMIDIなどの外部スイッチが必須だと思います。
詳細な設定はPCやスマホがないとできない
周波数やQ値を自分自身で変更できると記載しましたが、これはPCやスマホとEQ2をUSBケーブルで接続して行う必要があります。
そのため、現場で周波数を変更したいとなった場合でも、思っているよりも簡単に変更できるわけではありません。
周波数やQ値は自分で事前に設定したものを持ち込んで、事前に決めた周波数のブーストorカットを現場で微調整する程度かと思います。
そのため、現場ではある意味、決められた周波数をイコライジングするということになりかねません。
また、ディスプレイの周波数(10分割)の表示は下記画像のように固定されています。

そのため、設定する周波数を変更した場合、どの周波数に設定したのか覚えておく必要があります。
プリセット1とプリセット2で違う周波数に設定することも可能ですが、その場合、2つのプリセットの周波数も覚えておかなければならず、訳が分からなくなります。
結果、自分は周波数の設定はいじらずに、この表記の通りの設定で運用していました。
まとめ
Source Audio EQ2は、イコライザーの機能としては最強だと思います。
ただし、おすすめできる人とできない人が明確になるエフェクターでもあると感じました。
MIDIなどの外部スイッチャーを使用される方、もしくは複数プリセットは使用されない方には、間違いなくおすすめできます。
逆に、複数プリセットを使用される予定の方で、MIDIなどの外部スイッチャーを使用されない方にとってはフットスイッチの操作が難しいため、下記の商品をおすすめします。
・Free The Tone/ PA-1Q シリーズ

・BOSS EQ-200

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