エフェクターレビュー BOSS EQ-200

ベース

自分はベースで指弾きとピック弾きの両方を使用します。

指弾きとピック弾きで得意な音域も違えば、音量も違います。

指弾きだけ、もしくはピック弾きだけの場合では、音作りが1つで完結するため困ることが少ないのですが、指弾きとピック弾きの両方を使用するとなると、どっちの音を基準にするのか、もしくはプリアンプを2つ用意するのかと、悩んでいました。

その悩みを解決できるのが、複数プリセットを保存できるイコライザーで、その中の1つであるBoss EQ-200を購入し使用していたのでレビューしていきたいと思います。

BOSS EQ-200の概要

EQ-200の概要から説明します。

メーカーサイトから引用。

BOSSの200シリーズは、ペダルボードへのレイアウトを容易にするコンパクトなサイズ設計で、高品位なサウンドと高い汎用性を備えた次世代のペダルです。シンプルな操作性を実現したコントロール・ノブと多機能フットスイッチにより、直感的かつ簡単にサウンドメイクを行うことができます。また、お気に入りのセッティングを即座に呼び出すことができるメモリー機能も装備。200シリーズはすべてのモデルにおいて、内部演算32bit float(浮動小数点)の高度な演算処理によるクラス最高峰の音質を実現しました。外部フットスイッチやエクスプレッション・ペダル、MIDI接続によるコントロール機能も充実しています。

EQ-200 Graphic Equalizerは極めて柔軟性の高いギター/ベース用イコライザーです。ワイドレンジの10バンド・イコライザーを2基搭載。視認性の高い内蔵LCDディスプレイにより、イコライジングの状況を瞬時に確認できます。また、2基のEQはパラレル/シリーズ接続で使用可能。お気に入りのエフェクトを本体にインサート接続することにより、外部エフェクトの前段/後段に、別々に設定されたイコライジングを行うこともできます。10バンドの中心周波数は3タイプより選択でき、楽器に合わせた最適なセッティングを実現します。

BOSS HP:https://www.boss.info/jp/products/eq-200/

複数プリセットを保存できるイコライザーです。

EQ-7の複数プリセットが保存できるものと思ってもらえればわかりやすいかと思います。

設定の説明

かなりシンプルなため、使い方に迷いませんが、使ってみないとわからない機能もあるため、設定します。

  • ON/OFFスイッチ:本体のON/OFFをコントロール
  • MEMORY:保存したプリセットを呼び出し
  • 周波数のスライダー:各周波数のイコライジング(一番右のLEVEは音量です。)

見た目の通りの使い方だと思います。

作成したプリセットを保存する方法はメーカー説明書に載っているのでそちらを参照してください。

シールドや電源を接続するのは、すべてエフェクターの上部にまとまっています。

個人的には、シールドをさすプラグはサイド側、電源プラグは上部の方がやりやすいのですが、人によって好みが分かれるところだと思います。

使用してみての良かった点、気になった点

ここからは使用してみないとわからないポイントでよかった点、気になった点を紹介していきます。

<良かった点>

  • イコライジング機能、音質ともに十分
  • デジタル画面で隣の周波数とのつながりが可視化できる
  • 直感的な操作で使いやすい
  • 音量も保存される
  • メモリーの呼び出し範囲を設定できる

<気になった点>

  • 一度保存したら、スライダーを自分で合わせないと前の設定を呼び出せない
  • デジタル画面とハードスライダーが一致せず混乱しやすい
  • 1dB刻みでの詳細な設定がしにくい
  • 音量はデジタル画面に表示されない

まずはよかった点から。

イコライジング機能、音質ともに十分

イコライジング機能は、かかり方が分かりやすく、十分だと感じました。

EQ-200をONにしたまま、イコライジング機能をフラットにすることで、音がどれだけ変化したのか検証しましたが、音の変化はありませんでした。

少なくとも、EQ-200をONにしてフラットにした場合と、EQ-200を取り外した場合で、違いが聞き分けられるほどの耳は持っていません。

それくらい音はそのままで、イコライジング機能として十分な性能を持っていることがわかります。

デジタル画面で隣の周波数とのつながりを可視化できる

イコライジングすると、デジタル画面にその設定が表示されます。

このデジタル画面の表示がかなりよく、隣の周波数とのつながりを可視化することができます。

隣の周波数とのつながりを可視化できることによって、イコライザーの周波数のQ値がどのくらいかわかるため、設定の手助けになります。

直感的な操作で使いやすい

メモリーへの設定方法は覚える必要がありますが、それさえ覚えてしまえば、普通のアナログイコライザーと変わりなく使用できます。

見た目の通りに操作すればよく、説明書を見なくてもある程度操作ができ、かなり使いやすいです。

音量も保存される

自分でイコライジングしたものをメモリーに保存した際、音量も保存されます。

私はベースで指弾きとピック弾きを使用しており、指弾きとピック弾きで音量の差が出るのが気になっていました。

EQ-200は音量もメモリーに保存されるため、指弾きとピック弾きの音量差をなくすにはとても良いイコライザーでした。

メモリーの呼び出し範囲を設定できる

複数プリセットを保存できるイコライザーをいくつか使用してきましたが、メモリーの呼び出し範囲を設定できるのはEQ-200くらいだと思います。

EQ-200を含む複数プリセットを保存できるイコライザーは、MEMORYのフットスイッチを踏むたびに、1→2→3→4→1→・・・が標準となっています。

それでいて、MEMORYのフットスイッチでは呼び出し範囲を設定できず、呼び出したいメモリーがある場合はMIDIなど外部フットスイッチを接続して呼び出す必要がありました。

EQ-200はこの呼び出し範囲を設定することができます。

私の場合だと、メモリー1に指弾き用のプリセットを保存し、メモリー2にピック弾き用のプリセットを保存していました。

この2つのプリセットしか使用しない場合、EQ-200の設定範囲でメモリーを2まで呼び出す設定にすることができ、1→2→1→2→1のように、必要最低限のメモリーの呼び出しが可能になっていました。

他のイコライザーはメモリー4までの呼び出しが固定になっていて、不要なメモリーも呼び出されてしまうため、この機能は本当に便利でした。

ただし、メモリーの呼び出し順は数字の順番にしか設定できないので、注意です。

例えば、1→3→2のようなメモリーの呼び出し方はできません。また、1→2→4のように数字飛ばしの呼び出しもできません。

このように使用されたい方はMIDIなどの外部スイッチを使うかマルチエフェクターを使用することをおすすめします。

使用してみて気になった点

次に使用してみて気になった点を紹介します。

<気になった点>

  • 一度保存したら、スライダーを自分で合わせないと前の設定を呼び出せない
  • デジタル画面とハードスライダーが一致せず混乱しやすい
  • 1dB刻みでの詳細な設定がしにくい
  • 音量はデジタル画面に表示されない

一度メモリーに保存したら、自分でスライダーの位置を合わせないと設定を呼び出せない

例えば、一度設定を保存した後、少し設定を変更したいと思うことはあると思います。

その際、不便なのが、保存したメモリーを呼び出して変更しようとする際、スライダーで位置を合わせないといけない点です。

デジタルミキサーのようにメモリーを呼び出すとスライダーも自動で設定された位置に移動することはありません。

そのため、今表示されているメモリーとスライダーを一致させるためには、デジタル表示された画面を見ながら、自分でスライダーの位置を合わせる必要があります。

デジタル画面とスライダーの位置が一致せず、混乱しやすい

仮に、スライダーを400Hzで-6dBに設定していても、メモリーのフットスイッチを押せばメモリーに保存されたプリセットの呼び出しが優先されます。

そのため、デジタル画面は+4dB、スライダーは-6dBになっていて、どっちが正解なのか混乱することがあります。

1dB刻みでの詳細な設定がしにくい

アナログなイコライザーだったらよくある話かもしれませんが、±1dB程度を変更するような詳細な設定は難しいです。

音量はデジタル画面に表示されない

上記3点の気になった点は、慣れればそこまで気になることはなかったかもしれませんが、私が唯一目をつぶることができなかった点が、音量がデジタル画面に表示されない点でした。

イコライジングと一緒に音量もメモリーに保存できると記載しました。

これはかなりメリットなのですが、一方で保存した音量はデジタル画面に表示されません。

保存したイコライジングはデジタル画面に表示されるのに、音量だけが表示さないため、設定を変更しようとした際、過去に保存した音量がわからず再設定するのに苦労しました。

自分の使い方

自分のエフェクターボードを見せながら使い方を説明していきたいと思います。

①BOSS/WL-60:ワイヤレスシステム

②TC ELECTRONIC/polytune3:チューナー

③Miura guitars/M2 Compression/Limitter:コンプレッサー

④BOSS/EQ-200:イコライザー

⑤Akima&Neos/King Rocker Bass II:プリアンプ、歪み

⑥Xotic/Bass RC Booster:ブースター

⑦Fender/Engine room5:電源

自分は⑤Akima&NeosのKing Rocker Bass II(プリアンプ)の前段にBOSS EQ-200を置いてイコライジングしています。

⑤のKing Rocker Bass IIでプリアンプ的な使い方をしていますが、これは細かな音作りをしているわけではなく、どちらかというとチューブアンプ的な音になるように補正しているイメージです。

細かな音作りをBOSS EQ-200で行っています。

指弾きの際は、Lowをカットする方向性で使いますが、音抜けが悪い場合はHigh Middleあたりを軽くブーストさせるような使い方をしています。

ピック弾きの際は、Lowが薄くなりがちなのでLowを軽くブーストするようなイコライジングにしています。

まとめ

複数プリセットを保存できるイコライザーとして、機能・音質は申し分なしですし、コストも他と比べると安いので、おすすめできるエフェクターです。

下記のような人にはお勧めできます。

  • 複数プリセットを保存できるイコライザーを探している人
  • コストパフォーマンスに優れたエフェクターが欲しい人

上記赤字が気になった方は、下記のような類似のエフェクターもあるので、こちらも選択肢に入れてみてください。

  • Free The Tone/ PA-1Q シリーズ
  • Source Audio/EQ-2

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